世界はアフガンの未来に貢献する女性公務員を育成しそして見殺しにする

世界はアフガンの未来に尽力した女性公務員を見殺しにするのか 女性と子どもの権利

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世界は迫害に遭うアフガンの女性公務員の国外退避を支援すべき

 新たにアフガニスタンの女性に関して、人権侵害のニュース記事を確認しましたため、共有いたします。彼女たちには他の国からの支援が必要です。

この記事のポイント
① アフガニスタンの女性公務員(裁判官・検察官・警察官)の危険が高まっている
② 今年1月には2人の女性裁判官が殺され、つい先日は女性警察官が石で殴打された
③ 世界は自分たちが「育てた」女性公務員を助けるべき

アフガニスタンの女性公務員がタリバンから暴力を受けている

 タリバンがアフガニスタンを制圧してから、女性に対する抑圧が強まっています。中でも、世界が拡充を推し進めてきた「女性公務員」に対する危険が強まっています。以下が該当する主なニュースです。

タリバンが女性公務員を迫害しているニュース
 ● タリバンが解放した囚人が、女性裁判官を報復で殺害する恐れ (ロイター、2021/9/3)
 ● タリバンが初の女性警察高官を石で殴打する(中央日報、2021/9/2)

 女性に対する極端な就労制限や権利侵害を示すニュースです。

日本を含む欧米諸国がアフガンの女性公務員の育成を担ってきた

 これらの警察官、検察官、裁判官などの女性公務員は、日本を含む欧米諸国が育成してきた背景があります。

日本政府は国際協力機構(JICA)を通じ、2014年からアフガン国外での研修などで女性警官の育成を支援。既に1500人以上が研修を受け、現場で活躍中だ。

「本性現したタリバン、初の警察高官の女性を石で残忍に殴打」(中央日報日本語版)

 アフガニスタンの女性公務員の育成を支援していた国からは、この状況に耐え難い責任を感じているといったコメントも見られます。

“The responsibility that we bear is almost unbearable at the moment because we are one of the few people taking responsibility for this group,” one of the effort’s leaders, Patricia Whalen, an American judge who helped train Afghan female judges in a 10-year programme, told Reuters.

 この活動(女性裁判官の国外退避支援活動)のリーダーの一人、パトリシア・ウォーレンは、10年にわたるプログラムにより、アフガニスタンの女性裁判官の訓練を支援したアメリカ人裁判官である。彼はロイター通信に「現時点で私たちが負うべき責任というのは、もはや耐え難いほどだ。なぜなら、私たちは彼女たち女性裁判官に対する責任を担う、わずかな支援者のうちの一人だからだ。」と述べている。(引用者訳)

Hunted by the men they jailed, Afghanistan’s women judges seek escape(Reuters)

 日本を含む欧米諸国がアフガニスタンの自由民主主義化を推し進め、女性の就労を支援し、女性公務員の確立に尽力してきました。

 そして現在、アフガニスタンを襲う国難に際して、各国は、彼女たち女性公務員をアフガニスタンに置き去りにしています。彼らは、彼女たち公務員がタリバンから迫害される恐れが高いことを知っていたはずです。

育成した国の責任としてアフガンの女性公務員をタリバンから保護せよ

 欧米諸国の自由民主主義や男女平等といった概念は、タリバンの信念と真っ向から対立します。タリバンは自分たちと異なる価値観を容認しません。容認しないどころか、銃殺する、手足や耳、鼻を切り落とす、死体を木に吊るすなど、苛烈な迫害を行います。

 アフガニスタンがタリバンの支配下にある状況で、西側諸国によって職務を担うよう育成された女性たちを見過ごすことは、彼女たちの死を意味します。彼女たちの「死」というのは、決して比喩的な意味ではありません。今この瞬間も、彼女たちはタリバンに殺されるかもしれないという命の危機に瀕しています。

 しかし、国外退避は次のような理由から容易ではありません。

国外退避が困難な理由
・タリバンはアフガン人の出国を容認していない
・タリバンは女性のみの外出を禁じている
・タリバンの検問が国内に多数ある
・タリバンに公務員と知れると暴力を受ける
・公務員だった証明書を持参しないと他国の支援を受けられない
・隣国パキスタンは難民流入を懸念し国境を閉鎖している

 これほどのハードルを、彼女たちだけで克服できるとはとても思えません。

 私たち西側諸国の人間には、彼女たちの国外避難を支援する道義的責任があります。彼女たちに自由民主主義の夢を語り、権利を教え、社会進出の背中を押した仲間として、地球市民として、彼女たちの救出をサポートすべきです。

まとめ

世界はアフガンの未来に尽力した女性公務員を見殺しにするのか

この記事のポイント
① アフガニスタンの女性公務員(裁判官・検察官・警察官)の危険が高まっている
② 今年1月には2人の女性裁判官が殺され、つい先日は女性警察官が石で殴打された
③ 世界は自分たちが「育てた」女性公務員を助けるべき

 引き続き、アフガニスタンの女性や子どもに関するニュースを見かけましたら、みなさんにお伝えしていこうと思います。

 彼女たちの辛い現実から目をそらさずに見つめることが、支援の力になると信じています。

出典・参考リンク

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